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数学 · 極限と連続

代入できないのに答えは2?「点の値」と「極限」を分けて考えよう

編集:ひと息遊戯・ひと息学び 運営 · 公開日: · 編集方針

分数にx=1を入れると0/0になってしまう。それでも「xを1へ近づけたときの極限は2」と言える場合があります。「その点で値があるか」と「周囲の値がどこへ近づくか」は、別の質問だからです。

紙に「点の値・左からの極限・右からの極限」という3つの欄を作りましょう。ここでは実数の関数について、左右どちらにも入力がある点の近くを考えます。文字式への代入と因数分解を使い、高校段階の3例題をこの3欄で読み解きます。

0/0で止めずに、まず「その点以外」を調べる

最初の例題は、xを1へ近づけるときの(x²−1)/(x−1)の極限です。元の式はx=1では定義されません。一方、x²−1=(x−1)(x+1)なので、x≠1なら分母と同じ因数を約分してx+1になります。「x≠1」という条件は、約分したあとも残します。

x=0.9、0.99なら値は1.9、1.99。x=1.1、1.01なら2.1、2.01です。左右から2へ近づく様子が見えます。ただし、いくつかの数値を試しただけで結論にせず、次の式で近づき方を確かめましょう。

「どれだけ近いか」を差で確かめる

x≠1では、式の値と2との差は(x+1)−2=x−1です。差の大きさも同じなので、xと1の距離を0.01未満にすれば、式の値と2の距離も0.01未満になります。もっと小さな正の幅を指定されても、入力を同じ幅の内側へ近づければ応えられます。これが、この例で極限を2と判断できる理由です。

極限は、目標の入力そのものを除いた周囲の値を調べます。したがって、元の式のx=1での値がなくても、極限2は存在します。0/0は定義されない式であり、0という答えでも、「極限が存在しない」という結論でもありません。

左が1、右が2なら、真ん中を取ればよい?

2つ目の例題では、f(x)=1(x<0)、f(x)=2(x≧0)です。負の側から0へ近づけると、値はずっと1。正の側からなら、ずっと2です。左極限は1、右極限は2で一致しないため、両側極限は存在しません。f(0)=2という点の値だけでは、左側の食い違いはなくなりません。

平均の3/2にすることもできません。どちら側の値も3/2から0.5離れたままなので、例えば距離を0.1未満にはできないからです。紙に描くなら、左側の高さ1は(0,1)を白丸に、右側の高さ2は(0,2)を黒丸にします。黒丸は実際の点の値を示し、それだけで両側極限を決める印ではありません。

連続とは、周囲の行き先と点の値が合うこと

3つ目の例題はx=aでの連続性の条件です。ここではaの左右で関数を考えられるものとします。f(a)が定義され、xをaへ近づけた極限が存在し、その極限がf(a)に等しいとき、aで連続です。「点の値があるだけ」でも「左右極限が等しいだけ」でも足りません。

例えば、x≠aでは0、x=aのときだけ1と決めると、左右極限はともに0なのに点の値は1。連続ではありません。最初の分数も、x≠1での値をそのままにしてx=1の値を新たに2と定めれば連続になりますが、0と定めれば極限2と食い違います。周囲の行き先を変えずに点の値だけを変えられることが、2つの質問を分ける手がかりです。

3欄メモを使って、穴を埋めてみよう

練習として(x²−4)/(x−2)を考えます。元の式でx=2は使えません。x≠2で因数分解・約分し、xを2へ近づけた極限を求めてから、x=2の値を何にすれば連続になるかを書いてください。x≠2ではx+2なので極限は4、点の値も4と定めれば連続です。もし点の値を0と定めたら、3欄は「0・4・4」となり連続ではありません。

続いて下の3例題を順に解き、答えを見る前に3欄メモへ根拠を書きましょう。代入や等式の意味が曖昧なら前提記事「文字式も怖くない!xや等式の意味がスッキリわかるコツ」へ。位置と値の読み分けは関連記事「線の形だけで判断しない!グラフと座標をスッキリ読むコツ」で復習できます。練習へ進むと「式・関数」の高校・標準問題が選ばれ、この3問以外の同条件の問題も含まれます。

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まずは例題で確かめる

選択肢を比べてから「答えと解説を読む」を開いてください。ここで読んだ例題は、テストの解答や成績として保存されません。

例題 1 · 式・関数

x→1のとき(x²−1)/(x−1)の極限は?

  1. 2
  2. 0
  3. 1
  4. 存在しない
答えと解説を読む

正解:2

x≠1では(x²−1)/(x−1)=x+1です。xを1へ近づけると、周囲の値x+1は2へ近づくので極限は2です。元の分数へ1を直接入れると0/0で定義されませんが、極限はその点そのものの値ではなく周囲の近づき方を見ます。

考え方・補足を読む

x=0.9なら1.9、1.1なら2.1となり、左右から同じ2へ近づきます。

この例題の出典

例題 2 · 式・関数

f(x)=1(x<0)、2(x≧0)。x→0の両側極限は?

  1. 存在しない
  2. 1
  3. 2
  4. 3/2
答えと解説を読む

正解:存在しない

左極限1と右極限2が異なり、一つの値へ近づかない。

この例題の出典

例題 3 · 式・関数

x=aでの連続性の条件は?

  1. 極限が存在しf(a)に等しい
  2. f(a)が存在するだけ
  3. 左右極限が等しいだけ
  4. 極限がf(a)+1に等しい
答えと解説を読む

正解:極限が存在しf(a)に等しい

点の値と周囲の極限の一致が必要。微分可能性までは要求しない。 左右の極限が同じでも、点の値がそれと違えば連続ではありません。

考え方・補足を読む

例えばx≠aで0、x=aだけ1とする関数がその例です。

この例題の出典

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